『ペスタローチの教育学(直観の原理など)について
考察せよ。』
教育について、人間が生まれつき持っている能力を重視する説と、環境が人間に影響することを重視する説との2つに分けることができる。人間が生まれつき持っている能力を重視する説の提唱者として代表されるのが、スイスのペスタローチである。彼は「消極教育」を提唱するフランスのルソーの影響を受け、貧民院の設立や孤児院の設立によって、不健康や病気により悪い生活習慣で苦しんでいる子どもたちを救った。このときの教育実践は新聞紙上で紹介され、彼の教育思想が広く知られるようになった。また彼は「愛国者団」という政治結社を作り、政治運動もおこなっていた。
彼の教育の思想は「有機的・発生的教育方法」と「直観の原理」の2つに代表される。「有機的・発生的教育方法」とは子どもの本性は白紙ではなく、既に将来成長する能力を内的に有しているのであって、この能力を自然に即した形伸ばしていくことが重要であるとしたものである。子どもには将来発展する素質が備わっており、この素質が子どもの内面から発展するように助成するのが教育であり...