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『おばあちゃん(ペーター・ヘルトリング作)』から見る児童文学の手法
1 本の内容
この本は、自動車事故によって両親を亡くした子どもが、父方のおばあちゃんに引き取られ、生活を
共にする様子を描いたものである。しかしながら、おばあちゃんは子育てから離れて数十年も経過し、
また、子育てしていた当時と比べ、子どもを取り巻く生活や学校の環境が大きく変わっていることから、
子育て(教育)に非常に難儀する。おばあちゃんは経験を重視した子育て(教育)に固執せず、子ども
の環境の変化にも対応しようと理解を示す姿として描かれている。
一方で、子どももおばあちゃんの気持ちや経済的、日常的生活の状況を理解し、順応しようと試行錯誤しながら、おばあちゃんと向き合い、時には思いをぶつけ合いながら過ごし成長していく。
そうしている内に、おばあちゃんが病に倒れることを契機に、お互いがお互いを必要としていることに気付いて終わる内容となっている。
作者は西ドイツで活躍しており、その当時に西ドイツで社会問題となっている一つの一例として描かれたものと推察でき、子どもが直面している問題を捉えて、成人からの一方的な目線...