オッカムによる、スコトゥスとエギティウス・ロマヌスの説の批判を自分なりに解釈しまとめたものです。resとよばれる個体は何によって区別され、そのものであるという確証を得ているか、についてオッカムがスコトゥス批判をしています。
エギティウス・ロマヌスに対しても「量」がres absoluta(実体)として存在するのはおかしい!とアリストテレスを引き合いに出して、反論ばっかしているようです。
哲学・論理学レポート
「スコトゥスの『個体化の理論と共通本性』」・「エギティウス・ロマヌスの『量独立説』」に関するオッカムの批判
1)スコトゥスの個体化の理論について
Ⅰ.概要
同一のres内に形相的に異なる2つの存在(①共通本性・②個体的差異・このもの性)が存在する。
Ⅱ.スコトゥスの主張①
自らに属する形式的に同一のものによってresAとresBが実在的に一致するならば、resAとresBは同じである。そのとき、その同一のもの(=自らに属する形相的に同一のもの)によってresAとresBが異なることはあり得ない。ここで言う自らに属する形相的に同一のものとは①共通本性のことである。まとまると、resA,resBにおいて個体が一致する本質(①共通本性)と個体が異なる特質(②個体的差異)は相違し、区別される(同一res内には2つの存在性①共通本性・②個体的差異がある。と結論される。
Ⅲ.スコトゥスの主張②
ソクラテスとプラトンという2人の人間を例に挙げて考えてみる。2人は「人間である」という共通本性により、実在的に一致している。また2人は「ソクラテス性」「プラトン性」という個...