単位を取得済みの合格レポートです。日本の民法は、指名債権譲渡についてフランス民法と同じく対抗要件主義を採用している。指名債権譲渡は本来、当事者の意思表示のみにより成立されると解される。民法上は譲渡を成立させるために譲渡契約書の締結や債権証書引き渡しがその成立要件とされていない。当事者間では合意のみで権利が移転するものの、第三者に主張・対抗するために法の定めた対抗要件具備の手続きを踏まなければならない。この対抗要件主義により、対抗要件に一定の様式・構成が必要とされる 。
指名債権譲渡の対抗要件
日本の民法は、指名債権譲渡についてフランス民法と同じく対抗要件主義を採用してい
る。指名債権譲渡は本来、当事者の意思表示のみにより成立されると解される。民法上は
譲渡を成立させるために譲渡契約書の締結や債権証書引き渡しがその成立要件とされてい
ない。当事者間では合意のみで権利が移転するものの、第三者に主張・対抗するために法
の定めた対抗要件具備の手続きを踏まなければならない。この対抗要件主義により、対抗
要件に一定の様式・構成が必要とされる1。
対抗要件は第三者に対する対抗要件と、当事者(譲渡人と譲受人との取引に影響を受け
るであろう債務者)に対する対抗要件がある。前者は確定日付のある証書による債務者へ
の通知、あるいは債務者による承諾が必要とされる。後者は無方式による債務者への通知、
あるいは債務者による承諾があれば良い。民法 467 条第 1 項が債務者に対する対抗要件、
第 2 項が第三者に対する対抗要件の条文である2。
そもそも「債務者への通知、あるいは債務者による承諾」となったのには理由がある。
例えば不動産であれば対象物である土地や建物が動かないため...