古代からの相撲と天皇の関わりについてのレポート。
「A」評価。
国家形成論
後期レポート
題名:相撲と天皇。
「相撲」という類型のスポーツは、日本でのみのスポーツではなく、イギリス、スペイン、アメリカなどの欧米や韓国、モンゴルなどのアジアなどの世界的なスポーツである。もちろん、各国ごとにルールややり方などは少々異なっている。換言すれば、相撲というスポーツは異なる空間で、異なる方式で発展してきたのである。例えば、スペインでの相撲は格闘技に近い一方、イギリスでは相撲の伝統の儀礼と形式が強調される。他方、日本での相撲は一段と複雑である。それは、天皇制や宮中儀式など日本ならではの伝統的な要素と深く関連している。
現代の日本における相撲を説明するためには、このスポーツが江戸時代の都市文化は無論、農村文化の底辺から湧き出すあるものを反映していることは看過してはならない。相撲は本来、収穫の豊作を祈願する農耕儀礼から始まったという説が有力であるが、言い換えれば、元来はスポーツとしての性格よりは「神を祀ること」としての意味が大きかった。農業を重視した昔には土地のことが何よりも重要なことであったため、力の強い「力士」たちに土地に宿っている悪霊を踏んで治めさせたが、...