検閲について

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    A 検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部または一部の表現の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発売前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発売を禁止することを、その特質として備えるものを指す。
     検閲の禁止は、歴史的に検閲が表現の自由を制限する通常の形式であること、公権力の恣意的判断が、すべて禁止を正当化する検閲という形式に収められてしまうこと、などに対する危惧に由来する。言論・出版などの事後における行政処分としての禁止、制約を、検閲のカテゴリーに含めることは別として、事後の制約を一般的に検閲の類型に含めることは妥当ではない。
    B① 税関検査事件は、関税法では日本国内に輸入することができない、輸入してはならない貨物(輸入禁制品)について定めているが、関税法69条の8第7項は「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」を輸入してはならないと規定している。税関ではこの規定に従い、輸入される物品の内容について検査を行っている。これを一般に税関検査というが、これが検閲にあたるのではないかという議論が行われている。
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