教育委員会制度について、戦後地方教育行政改革の
原則をふまえて論じなさい。
近年、行政の地方分権化が叫ばれる中、教育行政においても同様にその改革が求められている。教育行政において地方の重要な役割を果たす教育委員会の制度について、そのあり方を考察する。
はじめに、教育委員会がどのような経緯で成り立ち変容していったのかをみていく。わが国は、1945年8月の敗戦後、連合国に対して無条件降伏をした。天皇を基本としつつ国民を統合させるいわゆる「国体護持」という条件をつけようとしていた日本政府に対して、連合国側は全ての決定権は連合国最高司令官に属することを意図する回答を日本側に示した。このような中、1946年3月に、「第一次米国教育使節団」が来日し、戦前の国家主義的・統制主義的な教育制度のあり方を改めて、もっと自由な、民主的なものにするよう、日本の教育改革を行い始めた。戦後における教育行政の重要課題は、中央集権的であった教育行政を地方分権化することにあった。そこで、アメリカから導入されたのが「教育委員会」という新たな制度であった。教育使節団の報告書の勧告を受けて、都道府県・市町村段階において...