中国の高齢者化が世界にも注目され始めている。その中で、とりわけ、中国の「空巣老人」が近年来増加している。中国では独居老人の家が、社会学者に「空巣」と称されている。但し、このままだと日本では「泥棒」家庭となるが、英語のempty-nest familyの訳であり、日本では「空の巣」の家庭と表記している。子鳥が巣立った後に親鳥だけが取り残された状態にたとえて、一人暮らし老人の状態を示す概念である。統計によれば現在、中国の「空巣」率はすでに26.4%。それは高齢化社会が進むにつれて増加しつつある。高齢者福祉サービスがまだ不完全な中国では、「空巣老人」の家事援助、介護や孤独克服という問題をどのように援助するのが望ましいかという問題は注目を集めている。
ここでは、筆者が実施した調査(中国都市部における「空巣老人」のソーシャルサポートに関するアンケート調査)の分析を行う。調査の概要について整理し、中国都市部における「空巣老人」のソーシャルサポートの現状や評価上の特徴を整理する。
中国都市部における「空巣老人」のソーシャル
サポートに関する実態研究
―中国都市部における「空巣老人」のソーシャル
サポートについてのアンケート調査の分析からー
中国の高齢者化が世界にも注目され始めている。その中で、とりわけ、中国の「空巣老人」が近年来増加している。中国では独居老人の家が、社会学者に「空巣」と称されている。但し、このままだと日本では「泥棒」家庭となるが、英語のempty-nest familyの訳であり、日本では「空の巣」の家庭と表記している。子鳥が巣立った後に親鳥だけが取り残された状態にたとえて、一人暮らし老人の状態を示す概念である。統計によれば現在、中国の「空巣」率はすでに26.4%。それは高齢化社会が進むにつれて増加しつつある。高齢者福祉サービスがまだ不完全な中国では、「空巣老人」の家事援助、介護や孤独克服という問題をどのように援助するのが望ましいかという問題は注目を集めている。
ここでは、筆者が実施した調査(中国都市部における「空巣老人」のソーシャルサポートに関するアンケート調査)の分析を行う。調査の概要について整理し、中国都市部における「空巣老人」の...