福祉の市民化
我が国の社会福祉は、憲法25条「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という条文から国の責務として認知され、国民は社会福祉の給付対象者でしかなかった。しかし、1992年の社会福祉事業法の改正により市民が社会福祉活動を行うものであるということがはじめて明記され、社会福祉事業に対して理解を示し、協力する存在として位置づけられた。徐々に理念は掲げられていったものの、現実の施策は不完全であり、市民の意識も福祉の市民化という考えに馴染んでいるとは言えない。それでは、福祉の市民化実現には...