社会福祉における援助活動は、かつては障害者、高齢者等、いわゆる「社会的弱者」への措置制度として行われていた。しかし、社会福祉の基礎構造改革が進められる中で、対象者が「社会的弱者」から「地域の人々すべて」になり、介護予防機能の充実をはかり、複雑化、多様化するニーズに対応できる新しい社会福祉援助活動の構築、強化が望まれている。
社会福祉の概念を整理すると、①社会福祉としての理想や目的を指す目的概念、②サービスの仕組みや内容を意味する構造概念、③具体的な制度や政策を指す施策概念、④社会福祉の本来あるべき姿や現実を指す実体概念、⑤サービスや活動の過程や成果を意味する実践概念、などである。
だが、社会福祉の制度が整備、充実すると福祉行政が浸透し、その結果、実践活動が自然に生まれる錯覚を覚える。このような動向が進展してくると、必要な介護への万全のサービスが受けられると早合点してしまう。これが社会福祉への錯覚である。
また、社会福祉援助活動と社会福祉援助技術の位置づけを整理するためにハード福祉とソフト福祉に分けられる。ハード福祉とは人間の社会生活を支援する施策の総称をいう。言い換えれば社会福祉制度...