科学とは身の回りの出来事、事象が一体どんな仕組みで成り立っているのかを探求する学問と言えるだろう。つまり、科学とはある現象に理屈を付ける作業のことである。
私達の身の回りの現象は科学によって成立しているわけではない。科学はなくてもその現象は存在するであろう。私達人間が考えるまでもなく、宇宙は存在するし、その中に地球があり、地球の上にヒトや植物など多くの生物が存在している。このようなことを説明するまでもなく、見るに明らかである。なんとも簡単な話である。しかし、それで納得しないのが私達人間という生物なのだろう。恐るべき知識欲を持った生物、それが人間なのである。身の回りの当たり前の現象にあえて理屈をつけて納得のいく解釈を得ようとするのだ。考えてみれば、私自身も幼い頃は何でも「なぜ?どうして?」と親を問い詰めていた。幼いが故の知識欲むき出しの状態である。知識欲というのは人間の本能なのかもしれない。
例えばニュートンはりんごが木から落ちるのを見て万有引力を発見したという。科学のおかげで万有引力が存在するわけではない。引力はニュートンが発見するずっと前から地球上に存在していた。ニュートン以外の人間は木からりんごが落ちるということを微塵も不思議に思わず、当たり前のこととして捉えていた。しかし、ニュートンはりんごが落ちることを不思議だと感じ、なぜ落ちるのかという仕組みを知りたいと思った。どうにかして納得のいく解釈が欲しかったのだ。「りんごが落ちる」という現象に理屈を付けたのである。それが万有引力の存在を発見したということである。
1.はじめに ~科学とは?~
『人間にとって、科学とは何なのか?』この問いを考えるにあたって、まず科学とは何かを考えてみたい。ひとまず辞書を引いてみる。
かがく[科学]①一定の方法のもとに、対象を組織的・系統的に研究し、実験し、調査する学
問。サイエンス。
②自然科学。
また、インターネットで「科学」という言葉を調べてみたところ、以下のような記述があった。
自然や社会など世界の特定領域に関する法則的認識を目指す合理的知識の体系または探究の営み。実験や観察に基づく経験的実証性と論理的推論に基づく体系的整合性をその特徴とする。研究の対象と方法の違いに応じて自然科学・社会科学・人文科学などに分類される。狭義には自然科学を指す。
科学とは身の回りの出来事、事象が一体どんな仕組みで成り立っているのかを探求する学問と言えるだろう。つまり、科学とはある現象に理屈を付ける作業のことである。
私達の身の回りの現象は科学によって成立しているわけではない。科学はなくてもその現象は存在するであろう。私達人間が考えるまでもなく、宇宙は存在するし、その中に地球があり、...