商法(会社法)

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    資料紹介

    株券発行会社であるA会社株主であるBより、1株あたり2,000円で株式の譲渡を受けたCが、名義を書き換えないまま放置していたところ、業績好調なA会社は新たな事業展開のため新株を発行した。A会社は名簿上の株主であるBに対して新株を割当て(払い込み価額2,500円)、Bの払い込みを経て現在その新株式(現在市場価格3,000円)はBの手元にある。CはこのBの有する株式の引き渡しを求めることが出来るか?出来るとしてその対価はどうか?

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    商法

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    名義書換をしていないCはいわゆる失念株主である。失念株主Cの権利行使がどこまで認められるかが論点となる。また、A会社とCとの関係、譲渡当事者B・Cの関係を区別して考えなければならない。

    まず、A会社とCとの関係について、株式譲受人Cは名義書換をしなければ会社その他の第三者に対抗できない。(会社法130条1項)このことから、名義書換はA会社に権利を主張するための要件となっている。一方で、A会社は株主名簿上の株主Bに権利行使を認めた場合、悪意・重過失がない限りA会社は免責される。(手形法40条3項類推)会社側にこのような免責を認める理由は、事務処理を画一的にして会社の便宜を図るためである。判例は、会社側が会社自身の危険の下で名義書換未了株主の権利行使を認めることは許されるとしている。(最判昭30.10.20)ただし、この場合会社が誤って権利行使を認めても免責されない。

    よって、A会社が株主名簿上の株主であるBを株主として扱ったことは正当であるから、CはA会社が悪意・重過失でない限り株主であることを主張できない。

    次に、譲渡人Bと譲受人Cとの関係であるが、株式の譲渡は当事者の契約と株券...

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