はじめに
精神障害者を対象とした個別援助技術(以下ケースワーク)は、本質的には他のケースワークと同じであるが、精神障害者の特徴やその疾患を理解することが必要となる。課題となる事例の援助過程を各段階に分類しまとめる。
援助過程
①インテーク
初期面接の段階であり、この段階では精神的・情緒的問題を抱えた本人よりも家族やその人に関わる関係者が多い。事例でも最初の相談はB病院のPSWからである。
②情報収集
インテークの段階のみの情報だけでなく、その後必要な情報を収集する。事例ではAさんの生い立ち、家族構成、病歴、性格と記されている。事例では「活動的で朗らかな女性と思われ、入院の必要性にも疑問を感じられる」とあるが、この段階において、後々でわかってくる抑うつ状態や他罰的被害的であるという部分の情報が申し送られていないため、問題があまりなさそうに受け止められてしまっている。
③アセスメント
解決すべき問題と経過や現状、家族の対応、Aさんのポテンシャルなどを把握し、事前評価する。事例では「活動的で朗らかな女性と思われ、入院の必要性にも疑問を感じられる」となる。
④援助計画
アセスメントをも...