高齢者が求める福祉専門職について
介護の持つ意義
介護とは、身体および精神に何らかの障害のある人に対して日常生活における行為を援助することであり、わが国ではこの介護を家族で担ってきた。つまり、介護=家族の関係がそこには存在していた。
近年になるにつれ、上下水道の発達や感染症の減少、医療技術の発達、都市の人口集中と地方の過疎化などの社会状況の変化、さらには、大家族から核家族へと家族構成の変化、高齢化社会から高齢社会へと25年余りで高齢化の変化が見られ2025年には3,8人に1人の割合で65歳以上の高齢者の数が増えていく見通しである。また、女性の社会進出や少子化に伴って家族の介護負担の増加(精神的負担が6割、肉体的負担が4割)、老老介護の増加が見られ、当然のごとく福祉ニーズが多様化傾向にある。
1987年の社会福祉士・介護福祉士法により、福祉専門職の資質向上が図られ、訪問介護員養成課程の制度化さらには2000年の介護保険法の導入により、利用者の立場に立った介護サービスの提供ができるようになってきている。家族で行われてきた介護をその役割分担の分業によって家族負担は以前よりは軽減されてきて...