乳幼児の心理について述べなさい。
心理学では客観的な事実にもとづいたいろいろな観点により、出生から青年期までの発達過程をいくつかの段階に分けている。乳幼児期は人生の出発点である誕生からおよそ6年間にあたり、その長さからみれば次の児童期とほぼ同じだが、生物としてのヒトとして生まれた個体が不十分ながら社会生活に適応して一個の人格をもった人間になっていくという驚くべき変化が起きる時期として重要視されなければならない。そこで、乳幼児期にあたる出生から6歳までの心理の特性を考察した。 ・乳児期(出生ー1歳)
大半の出産においては、胎児は狭い産道を通って生まれるが、その時体験する胎児の心身の苦痛や疲労は強大なものと推察され、その上体内では全く依存的であった胎児は、出生と同時に生命維持のために呼吸と摂食行動を自ら習得しなければならないし、それまで未経験ないろいろな感覚的刺激に反応しなけばならない。これらの新しい体験によって生ずる疲労の回復や急激な環境の変化に適応するために、出生後約1ヶ月を要するものとみなして心理学では特に出生後の1ヶ月間を新生児期といい、新生児に対してはできるだけ静かな環境による...