秘密録音の性質(2010年)

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    資料紹介

    秘密録音は強制処分か、あるいは任意処分か。物的証拠の収集方法として現行法が予定しているものは、強制処分としての捜査、差押え、検証(218 条、220 条)、鑑定処分(225条)と、任意処分としての留置(221 条)、実況見分、公務所などへの照会(197 条2 項)などである。強制処分とは個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段のことを指し、刑事訴訟法197 条「捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない」を根拠としている。秘密録音が強制処分にあたるならばこの但し書が要求する法律根拠が無く違法となるため強制処分の意義が問題となる。

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    秘密録音と処分の性質

    秘密録音は強制処分か、あるいは任意処分か。物的証拠の収集方法として現行法が予定
    しているものは、強制処分としての捜査、差押え、検証(218 条、220 条)、鑑定処分(225
    条)と、任意処分としての留置(221 条)、実況見分、公務所などへの照会(197 条 2 項)
    などである。強制処分とは個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制
    的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない
    手段のことを指し、刑事訴訟法 197 条「捜査については、その目的を達するため必要な取
    調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、
    これをすることができない」を根拠としている。秘密録音が強制処分にあたるならばこの
    但し書が要求する法律根拠が無く違法となるため強制処分の意義が問題となる。他方強制
    処分に当たらない処分のことを任意処分とし、強制処分法定主義の反面として任意処分に
    ついては法の定めが不要である、と解されている1。公開の場所における犯罪現場での人の
    音声などを捜査機関が証拠保全の目的で録...

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