[問題] 私たちは日頃、様々な色に囲まれて生活している。色彩は固有の感情価を持ち、また、形も例えば円と三角形では異なる印象を与える。一般に、同じ形態でも施された色彩が異なと違った感情的印象を与えることはよく知られている。中野(1972)は形態と色彩の合成図形がもたらす感情価について,形態と色彩の感情価のどちらが予測的であるか検討した。その結果,重回帰分析で多くの尺度において色彩の方が形態よりも効果が大きいことを示した。大山・田中・(1963)によれば、色と温度感の関係として、赤や黄などがいわゆる《暖色》と呼ばれ暖かく感じ、青や緑といった《寒色》と呼ばれる色は冷たく感じると述べている。また、色と重量感の関係としては、芳賀・大山(1959)が「軽いー重い」の7段階スケールで色紙の直感的な印象を調べ、それによると黄〜黄緑〜緑に軽さが、赤や青紫~赤紫に重さが報告された。それと並べて、色と大きさの関係としては、一般に、寒色系より暖色系の方が大きく見えるといわれるものの、実際には明度の影響が著しく、明るい色は暗い色より大きく知覚される傾向にある。(「視知覚1995 松田隆夫」)これらに加えて、色と感情の関係は、一般に暖色系は積極的で活動的な感情を伴い、それに対し、寒色系は消極的で沈静的な感情を伴うとされる。また、白には明るく清楚なイメージを感じ、灰色から黒に近づくと落ち着いた感情から陰鬱さや不安の感情を感じるようになる。柳瀬(1982)の代表的な7色の感情価を7段階評定させた結果の一部(表1)からは、「柔らかいー硬い」と「愉快なー重々しい」での順序、
題目:SD法
[問題] 私たちは日頃、様々な色に囲まれて生活している。色彩は固有の感情価を持ち、また、形
も例えば円と三角形では異なる印象を与える。一般に、同じ形態でも施された色彩が異な
ると違った感情的印象を与えることはよく知られている。中野(1972)は形態と色彩の合
成図形がもたらす感情価について,形態と色彩の感情価のどちらが予測的であるか検討し
た。その結果,重回帰分析で多くの尺度において色彩の方が形態よりも効果が大きいこと
を示した。
大山・田中・(1963)によれば、色と温度感の関係として、赤や黄などがいわゆる《暖色》と
呼ばれ暖かく感じ、青や緑といった《寒色》と呼ばれる色は冷たく感じると述べている。ま
た、色と重量感の関係としては、芳賀・大山(1959)が「軽いー重い」の7段階スケールで色紙
の直感的な印象を調べ、それによると黄~黄緑~緑に軽さが、赤や青紫~赤紫に重さが報告
された。それと並べて、色と大きさの関係としては、一般に、寒色系より暖色系の方が大きく
見えるといわれるものの、実際には明度の影響が著しく、明るい色は暗い色より大きく知覚
される傾向にある。(「視知覚1...