000460 道徳教育の研究 1単位目
≪課題≫
1.道徳の意義とその教育の必要性について論述せよ。
2.明治以降のわが国の道徳教育の変遷について述べよ。
≪講評≫
1.“2つの視点”をとりあげ、よく論じています。
2.歴史の要点を示し、よくまとめています。
1 以下では、まず道徳の意義について論じ、その後、道徳の必要性について、本来的必要性と現実的必要性の2視点から論じていく。
(1) 人は、社会的存在であるため、人間として人の間に生きていかなければならない。そのため、人間関係を最も好ましいものとしていくためには、どのように生きるべきかという問題に行き当たる。この問題は、自己または人間相互間の行動規範を必要とする。そして、この規範こそが、社会規範としてみた道徳である。人は、人として生まれた時から道徳的に生きるべきとの自覚はないため、教育が必要となる。道徳は、人が真に人間らしい人間になるために必要な教育であるといえる。
(2) 人間は、極めて能力の低い動物として誕生する。誕生時点では保護の対象であり、人間ではなく「ヒト」として扱われる。人間として扱われるためには、他者の存在...