教育の原理 第1分冊

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    古代から近代の時代が流れていく中で、どのように教育は変化していったのだろうか、特に重要と思われる人物の思想を詳述しながら説明したいと思う。

    古代の教育の中心となるのは、ギリシアの教育である。ギリシアの教育は、スパルタの教育とアテナイの教育という全く対立的な教育観に基づく二つの教育からはじまる。

     スパルタの教育は、国家主義的・軍国主義的教育であり、自由民に対して行われた。スパルタは、国内問題や国防のために自由民の教育に当たり、戦士を養成した。この期の教育は、知的教育は最小限にとどめられ、強健な体をつくるために体育が盛んに行われた。また、国家のために優れた子どもを産み育てることから、女子は男子と対等に振る舞い、教育においても男子と同様の教育が施された。古代の教育においてこのような例は他にみることができない。

    アテナイの教育は、民主主義的教育といわれ、個人主義的・軍国主義的教育である。スパルタと同様に戦士の育成を目指し、体育と音楽を柱として個人の自覚と自由に基づく多面的な教育を行い、「調和のとれた人間」の育成が目的とされた。同じ時期に、ソフィストとソクラテスの教育が対立した。ソフィス...

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