2011年度佛教大学通信課程のレポートです。
「社会科の歴史や学習指導要領の変遷、授業とは何か、公民的資質を総合的に考察し、公民科授業のあり方を説明しなさい」
参考:大森正・石渡延男 編著『新版 社会・地歴・公民の教育』(梓出版社、2009年)
社会科の歴史や学習指導要領の変遷、「授業とはなにか」、「公民的資質」を総合的に考察し、公民科授業のあり方を説明しなさい。
はじめに
高等学校学習指導要領(平成21年版)第2章第3節公民の「目標」には、「広い視野に立って、現代の社会について主体的に考察させ、理解を深めさせるとともに、人間としての在り方生き方についての自覚を育て、平和で民主的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う。」とある。私がイメージする公民科授業というと、高校生にとっての日常生活からは実感しづらい政治制度や思想など、抽象的で難しい内容を講義形式で受ける、といったものである。しかし、このような知識を伝達するだけの授業では、「目標」が掲げる「広い視野に立」つことも、「主体的に考察」させることも、「自覚を育て」ることもやはり困難であろう。では、公民科授業はどのようにあるべきか、社会化の歴史や学習指導要領の変遷などの考察を通して考えてみたい。
1 社会科の歴史と学習指導要領の変遷
わが国においては、戦前の小学校で修身・地理・歴史が社会系教科としておかれ、そのいずれも、愛国心や国民意識の高揚を目...