2011年度佛教大学通信課程のレポートです。
「以下の事例から1つを選択し、それぞれの政策領域について政治の論理と経済の論理がどのように作用しているのか論じなさい:地球環境問題を選択」
参考:野林健 他『国際政治経済学・入門(第3版)』(有斐閣、2007年)
以下の事例から1つを選択し、それぞれの政策領域について政治の論理と経済の論理がどのように作用しているのか具体的に論じなさい。
選択した事例:(7)地球環境問題
はじめに 〜仮説の提示〜
小稿では、地球環境問題について、経済のグローバル化に伴う経済連携や地域統合の深化が国際的な相互依存関係を一層進め、国際機関やNGOの働きが大きな力となり、地球環境ガヴァナンスが将来的に構築される、という仮説を提示し、以下で考察したい。
地球環境問題をめぐる現状
環境破壊は、技術の進歩や生産・消費活動の拡大、先進国企業による開発途上国への環境汚染の輸出、貧困層による森林伐採など、様々なことを原因とし、国際的にも広く認識されてはいるが、例えば、京都議定書以後つまり2013年以後の温室効果ガス排出量削減が気候変動枠組条約政府間交渉においてまとまらないなど、なかなか解決には向かっていないというのが現状である。
解決しない理由は、まず、被害が顕在化しにくいことで喫緊の課題として認識されないということがあげられる。また、人類共有財産である保護対象地域が主権国家の領域にある場合、だれが環境保護のための...