手形小切手法論文答案練習 手形行為総論
~交付欠缺(手形理論)~
【問題】
Yが約束手形を振り出すに際し、手形に署名後交付前に手形を盗取された場合、善意無重過失で裏書譲渡を受けたXは、Yに対して手形金を請求できるか。
【考え方】
手形行為:手形上の法律関係の発生・変動を生ぜしめる手形上の法律行為(あるいは手形上の債務の発生原因である法律行為)
約束手形の振出は、手形金額を第一次的・最終的に負担することを目的とする手形行為である。
・・・手形行為は
①証券に一定の事項を記載して署名するという行為(書面行為)
②証券を授受するという行為(交付行為)
に分析できる
→ 手形行為はいつの段階で成立するかが問題となる。(善意の手形取得者と手形署名者の利益のバランス)
1)交付契約説
・・・手形行為は契約であり、それは手形を作成し、授受することを方式とするものであるから、手形行為の成立には手形の交付を要する
2)発行説
・・・手形行為は単独行為であるが、その意思表示は相手方に到達することを要するから、手形行為の成立には手形の交付を要する
3)権利外観理論
・・・交付契約...