慈悲・自利・利他・自他不二について

閲覧数2,466
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 7ページ
    • 会員1,100円 | 非会員1,320円

    資料紹介

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ★「慈悲」について
    岩瀬真寿美『人間形成における「如来蔵思想の」教育的道徳的意義』国書刊行会、2011年
    「「慈悲」からみた自己形成――受けとる慈悲から与える慈悲へ」
    「衆生を愛念して楽を与えるを慈、衆生を愍傷して苦を抜くを悲といい、あるいは無利益を除くを慈、利楽を与えるを悲という」というように、仏教において慈悲という術語は衆生、すなわちあらゆる生き物に対する仏のはたらきを意味する概念(p103)(望月信亨『望月仏教大辞典』第二巻、世界聖典刊行協会、1932年、1978頁)
    初期の仏教において、「慈悲」の「慈」と「悲」は別々のものとして考察されている。中村元(1912-1999)によれば、「慈」はパーリ語のmetta(梵語のmaitriあるいはmaitra)の訳であり、友人や親しい者を意味するmaitraから派生した語である。慈とはこのように真実の友情や純粋な親愛の念を意味する語であった。(p103-104)
    この概念が生まれる背景には、仏教がおこったインドにおける都市の誕生ということがある。それまでの血縁に結ばれた人々による生活から、血縁に限定されずに生活することを人々は余儀なくされ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。