正式名称は「ペレト・エム・へルゥ(ぺリ・エム・ヘレウ)」。日本語訳すると「日元出現の書」となる。意味は太陽(ラー)の元に出現するための書、あるいは太陽のように出現するための書、といったところだろう(古代エジプト語では太陽=太陽神であり、どちらも“ラー”と呼称する)。
前者なら太陽神に送られる呪文となり、後者なら太陽のように死と再生を繰り返すため、つまりは復活のための呪文となる。ピラミッドの内部に彫られた「ピラミッド・テキスト」は前者、棺に書かれた「コフィン・テキスト」やパピルスに書かれたいわゆる「死者の書」は後者の意味に近い。
とはいえ、「死者の書」は「ピラミッド・テキスト」から派生したものであるため、両者に内容的差異はほとんどない。もともと古王国時代(B.C.2700〜B.C.2200頃)エジプトの葬礼文書はピラミッドの内壁に象形文字で刻まれていた。それが中王国時代(B.C.2050〜BC1780頃)になり、王の棺に刻まれるようになる。更に新王国時代(B.C.1567〜BC1085頃)になるとピラミッドが作られなくなったため、呪文がパピルスや木片に記述され、それが棺の中に入れられたり、ミイラとともに埋められたりするようになったのである。
本来死者のための呪文は限られた権力者だけのものであった。
死者の書
古代エジプトで書かれた冥界への案内書。死者の魂(バー)が冥界において加害者や悪魔、第二の死に遭わないようにしたり、神々の審判を受ける際に無罪になるようにするための呪文を集め、パピルスに記したもの。
†正式名称と意味
正式名称は「ペレト・エム・へルゥ(ぺリ・エム・ヘレウ)」。日本語訳すると「日元出現の書」となる。意味は太陽(ラー)の元に出現するための書、あるいは太陽のように出現するための書、といったところだろう(古代エジプト語では太陽=太陽神であり、どちらも“ラー”と呼称する)。
前者なら太陽神に送られる呪文となり、後者なら太陽のように死と再生を繰り返すため、つまりは復活のための呪文となる。ピラミッドの内部に彫られた「ピラミッド・テキスト」は前者、棺に書かれた「コフィン・テキスト」やパピルスに書かれたいわゆる「死者の書」は後者の意味に近い。
とはいえ、「死者の書」は「ピラミッド・テキスト」から派生したものであるため、両者に内容的差異はほとんどない。もともと古王国時代(B.C.2700~B.C.2200頃)エジプトの葬礼文書はピラミッドの内壁に象形文字で刻まれていた。それが中王...