2010年度、心理学系の学部で行われた授業レポートです。
「ミュラーリヤー錯視図を用いた錯視量の測定
:矢の色が錯視に及ぼす影響の検討」
目的
私たちが見る「もの」の形や大きさは実際の「もの」を忠実に模写しているのではなく,実際の物質量とそれに対する知覚された物質量の間には何らかの不一致が生じている。この不一致は主に実際の物質量と,経験・欲求などの個人的条件である主観的要因(経験・構え・欲求などの個人的条件)によって起こる。
実際の物質量と知覚された物質量の不一致の典型例として,幾何学的錯視がある。幾何学的錯視は,誤差的現象ではなく,刺激図形の幾何学的性質によって規則的に変化するものである。
このような錯視現象は,実際の物質量と知覚された物質量との関係が一致しないことが問題となる。本研究では,このような不一致の程度(錯視量またはPSE:Point of Subjective Equality)を調べることを目的とし,ミュラーリヤーの錯視図形を用いて,錯視量を測定した。さらに,本実験では「色の違いによって,錯視量に差がみられる。」という仮説を設定した。操作する要因としては,錯視図形の色(「赤」,「青」,「黒」)であった。
2.方法
実験対象者:...