2010年度、心理学系の学部で行われた授業レポートです。
1.目的
不安や緊張を強いるような何らかの心理的圧力を受けることによって生じる新進の変調のことをストレスと呼ぶが,ストレスを生む事態(ストレッサー)に対して,どのような対処方略を用いて心理的ストレスを回避するかは,状況や個人によってさまざまである。
本研究は,すでに起こってしまった重大な失敗と,将来起こりうる重大な失敗という2つのストレス事態を取り上げ,これらの事態に対して大学生・大学院生がどのような対処行動を実施しているかを,自由記述法によって広範に収集し,対処行動の分類が試みられた。また同時に,2つの事態における対処方略の違いを比較することが目的をされた。
2.方法
対象者
国立大学における学部学生および大学院生17名(男性5名・女性12名)
材料
過去に自らの失敗で起こしてしまった失敗(以下,過去失敗事態と略す),および将来高い確率で予想される失敗(以下,将来失敗事態と略す)の2つの塩お会い事態を簡単に描写した短い文章が作成された。また,各失敗事態における対処方略を自由記述法により回答させるため,回答用紙が用意された。回答用紙はB4の用紙に各失敗事態に対応する4つずつ,計...