2011年度A評価レポートです。指定されたテキストに沿った内容です。アレンジして使ってください。
【第1設題】
道徳教育の意義について述べよ
1.人間にとって道徳がなぜ必要なのか
道徳教育の意義について考察するにあたり、まず道徳とは何かということが問題となるだろう。この議論の始まりは古代ギリシア時代にさかのぼる。ソクラテスやプラトンによって確立されたイデア論によれば、人間は真理を求め、これを規範としてどのように生きるかを考えることが道徳なのであるという。つまり、道徳とは人間の生き方を示すものであるということができるだろう。道徳を別の角度から見てみる。広辞苑では「人のふみ行うべき道。ある社会で、その成員の社会に対する、あるいは成員相互間の行為を規制するものとして、一般に承認されている規範の総体。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の内面的なもの」とされている。この記述から道徳とは人間の生きる道を示すものであり、それは人間一人ひとりの内面に存在しているものであることが読み取れる。しかし、道徳は社会規範の一つであるから、法的拘束力や強制力はないにしても、社会の構成員として生きる上ではその規範に従う必要性が発生するため、社会からの強制という側面も併せ持ったものであるとみな...