プラトンのイデア論と言語

閲覧数3,827
ダウンロード数15
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    プラトンのイデア論について、簡単にまとめた後、『パイドン』を引用しながら、イデア論の考え方について考察する。言語という観点からイデア論を考え、イデアは初めからあるものではなく、言語によって作られたものだという、私の考えを述べる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    プラトンのイデア論と言語
    はじめに

     「パイドン」を読むと、そこで行われている議論は、一種の言葉遊びのようなものが感じられる。ソクラテスの対話相手も、一つ一つのソクラテスの問いかけには肯定せざるを得ないのだが、結局、心から納得していないように思われる。

     その原因は、言語の使い方にあるのではないだろうかと、私は考えた。そこで、言語という観点から、イデア論について考察してみたい。
    1、イデア論とは

     まず、イデア論について、『哲学マップ』(※1)の記述をもとに、簡単にまとめておきたい。以下は『哲学マップ』29-32頁の要約である。

     プラトンは、「~とは何か」の答えを、「~のイデア」とした。

     「~のイデア」は、全ての「~」に共通するものである。よって、「いつでも、どこでも、誰にでも当てはまるもの」となる。それは、〈普遍的なもの〉と言い換えることも可能である。したがって、イデアは永遠に変化せず、同じものとしてとどまる。

     イデアは、現実のものとは対立する。なぜなら、現実のものは、変化し、消えるからである。

     イデアは、生成消滅するものから成る現実世界には見出せない。イデアは...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。