基礎実習レポート生物系(薬理・薬剤・微生)

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    資料紹介

    資料の原本内容

    Ⅱ-2.1

    【結果】P388D1細胞をLPSで刺激し,産生されるTNF-αをバイオアッセイにより定量した.検量線を作成するために用いた各濃度におけるTNF-αの吸光度の値は,(TNF濃度[pg/mL],吸光度)=(1,0.785)(10,0.571)(100,0.459)(1000,0.549)(10000,0.452)であり,これを方対数グラフにプロットし,最小二乗法によって検量線を求めた.吸光度測定の結果を【グラフ1.1】に示す.検量線を用いて,検量線の範囲内に入る吸光度からTNF―α濃度を求め,希釈倍率を考慮して換算し,全ての平均を求めたところ,LPS刺激したものは27298[pg/mL],していないものは4149[pg/mL]のTNF-αが産生されたことが分かった.データは【表1.1】に示した.
    Y=-0.0688x+0.7008
    TNF-α濃度の計算結果のばらつきは大きいが,平均値に明らかな差があること,プレートに視認できる程度の色の変化があったこと,検量線の相関係数が小さいことを考慮して,LPS刺激によってTNF-αの産生が増加したと判断した.

    【考察課題】

    実験に用いる生物の細胞より,空気中や器具に付着した細菌やカビの増殖力は強い.これらが混入すると,培養細胞が十分に増殖できなくなったり,コンタミネーションが起こるため無菌操作を行う必要がある.

    P388D1細胞をLPSで刺激すると,P388D1の表面に発現しているToll-like レセプターによってLPSが認識され,TNF-αなどのサイトカインが放出される.これらのサイトカインはアポトーシスを誘導することが知られており,TNF-αの濃度を測定することはアポトーシスが起こる程度を評価するのに有効である.

    上清を数段階希釈して吸光度を測定するのは,濃度未知の試料の吸光度が,作成した検量線の範囲内に入る希釈倍率を一度に多く探し,効率的に実験を進めるためである.また,扱うサンプルはよく混和していても成分が沈殿して不均一になる可能性がある.よって複数点から濃度を求めて平均をとることでバラつきの大きさを知ることで,データを統計的に評価することができると考えられる.

    P388D1細胞をLPSで刺激した後L929細胞を入れると,TNF-α感受性のL929細胞は自動的に細胞死を起こす.アポトーシスは,膜上に存在する受容体にTNF-αが作用し,細胞内のシグナル伝達によって核内受容体が活性化して転写調節機構が発現することにより進行すると考えられる.

    Ⅱ-2.2.A~D

    【結果】
    【考察】

    各班で平均した結果をさらにクラスでまとめたものを以下に示した.特記すべきは,溶血反応のマウス1において,900万を超える外れ値を出した班があったためにグラフのマウス1とマウス2で非常に大きな差がみられるが,外れ値を除くとおよそマウスとマウス2での溶血反応に有意差は見られないということである.

    この結果は標準偏差が非常に大きく,有意水準95%での多重比較による有意差は認められない.ただし動物実験の性質や実験操作に不備があったことの影響を考慮して,平均値で結果を判断することとした.PFC溶血反応および凝集反応いずれについても,マウス,マウス2が免疫されており,マウス3が免疫されていないと判断するのが妥当である.抗体産生細胞の数はマウス3とマウス1・マウス2では約3-5倍の差があり,溶血反応はマウス3ではどの班においても見られず,また凝集反応ではマウス3とマウス1・マウス2間に約6倍の差があることから,整合性は十分にあると言える.

    自班の結果は三匹とも免疫されていないという結果で,全体と適合しないが,自班は,たまたま腹腔内投与がうまくいかなかったり,体重にたいして抗原の量が十分でない個体を引いてしまったため,このような結果が得られたと推察する.自班の三つの実験結果には整合性があることから,実験操作の不備ではなく免疫に失敗したマウスを使ってしまった可能性が高いと言える.
    Ⅱ-2.2.E

    【結果】

    【考察】

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