環境微生物学2

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    資料の原本内容

    環境改変により発生した環境問題・感染症
    環境微生物学レポート 提出日2010/04/26
    今日、薬剤耐性菌とりわけ多剤耐性菌の問題が重要視されている。医療の現場では、薬剤耐性菌による院内感染の発生も報告されており、社会問題と化している。古くから私たちは生存を図るために病原微生物に有効な薬剤を研究・開発し、広く利用することで恩恵を受けてきた。しかしその一方で、薬剤の乱用、例えば風邪の原因ウイルスへの抗生物質の適用など、薬剤が有効であるとされる疾患以外への使用により薬剤耐性菌の発生を加速させている。このような薬剤耐性菌は新興感染症や再興感染症の原因菌となる危険性が高く、すでにMRSAなどが大きな問題となっている。上述した事実から、これらの感染症は薬剤の使用という環境改変により引き起こされた問題としてとらえることができ、さらなる感染症の拡大防止と有効な化学療法の維持のために対策が必要である。

     現在では、薬の具備すべき条件として高い選択毒性を持つこと以外に、長期使用しても病原体が耐性を獲得しにくいことが条件とされるなど、薬剤の研究・開発の段階から注意が喚起されている。また結核やAIDSのような治療が長期間にわたる場合には病原微生物の耐性化を回避する目的で、複数の抗感染症薬を用いる対策が行われている。

     このような対策は試行錯誤の上に向上されるはずであり、十分になされていく必要がある。しかし最も重要なのは、要求された規定を満たすにとどまらず、常に問題意識を持つことだと考える。つまり、現在知られている耐性菌出現の遺伝子的・生化学的機構を十分に考慮するのみならず、機序は不明であるが起こりうる重大な問題を予測したうえで新薬の開発や薬剤の利用を行う必要がある。
    参考資料

    田中千賀子・加藤隆一編,NEW薬理学改定第5版,南江堂,2007,642p

    “感染症情報センター” 感染症発生動向調査週報2000年第34週号 参照: 2010/04/25
    http://idsc.nih.go.jp/idwr/index.html

    “動物医薬品検査所”http://www.maff.go.jp/nval/index.html 参照:2010/04/25

    日野原重明監修,一目でわかる内科学,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2004,451p

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