新学習指導要領の中学3年生、「C読むこと」の言語活動例に次のような文言が盛り込まれた。
「ア 物語や小説などを読んで批評すること。」
義務教育終了時点の文学的文章の読解力の到達点が、具体的に示されたものだと考えられる。このような物語や小説を「批評」する力とはどのようなものであり、それを身につけるために、ここまでに身につけなければならない読解力の系統とはどのようなものだと考えられるか。小学校学習指導要領ならびに中学校学習指導要領における「C読むこと」の記載内容を詳細に分析し、文学テクストを「批評」する力につながる読解力の系統を明らかにしなさい。
「批評」する力とは、対象とする物事や作品などについて、そのもののよさや特性、価値などについて、論じたり、評価したりすることである。物語や小説を適切に批評するためには、文章を主観的に味わうだけでなく、客観的、分析的に詠み深める力が求められる。そのためには、語句や描写などについて、その意味や効果を評価しながら読むことが大切である。また適切な評価をするためには、作品を分析する力が必要である。
国語科の指導内容は、系統的・段階的に上の学年につながってい...