日本大学、外国史概説課題の分冊2
・辛亥革命について論述しなさい
の合格原稿です。
科目コード0625および0626
辛亥革命は1911年辛亥の年に勃発し清朝を打倒して中華民国を樹立したブルジョア民主主義革命である。まず、辛亥革命が発生した経緯について述べる。清朝中国はアヘン戦争、第二次アヘン戦争、清仏戦争、日清戦争、そして義和団事件と、これらの戦争のすべてに敗北し、主権を侵され多大な領土を失った。また義和団事件の結果、外国の軍隊が首都北京に常駐するという事態まで発生し、事件後は満州を軍事占領していたロシアに対しても無力であった。日露戦争では中国東北部の権益を争って中国領内で開戦し、翌年にロシアが敗れ、日本の勢力が東北部に入った。中国国内では、日本のような小国が大国を制し、意外にも勝利したことは、日本の立憲君主体制がもたらしたと見なし、中国国内でも立憲運動が行われるきっかけとなった。アヘン戦争以来の対外関係史は、中国にとって屈辱の連続であった。清朝政府は日露戦争後、こうした屈辱をはねのけようとするかのように、ナショナリズムのうねりが中国に巻き起こってきた。また1904年には科拳が廃止になり、地方の優秀な人材が清朝から離反していく。そのような中、戦争敗北で支払うことになる巨額の賠償金や光緒新政における多...