生命倫理
第4課題 第2設題
臓器移植と脳死の関連と、そこで問題になっていることを述べなさい。
臓器移植のドナーとなり得るのは脳死患者であり、植物状態と診断された患者はドナーの対象にはならない。臓器移植と脳死の関係では、圧倒的なドナー不足から引き起こされる非倫理的なドナー確保の問題が指摘される。しかし一方で、臓器移植には大きなメリットもあり、臓器移植を適切に行うには、厳密な脳死判定をはじめ、ドナーの生前の意思の確認、患者家族への適切なインフォームド・コンセントが、しっかり守られているかが非常に重要である。
心臓移植で提供される臓器は脳死者のものである。脳死とは、脳幹あるいは脳全体が損傷を受けたもので、人工呼吸器を用いることによって、一定期間の延命が可能である状態である。このような障害は不可逆性であり回復は不可能と考えられている。つまり、脳死患者は、単に生かされている状態であって、人工呼吸器を取り外せば、心臓は停止し、死に至る。
それに対し植物状態の患者は、脳幹自体には損傷を受けておらず、障害は主に大脳に見られる。生命維持機能を司る脳幹が正常に保たれていることから、自発呼吸もあ...