司法試験の過去問を踏まえて,民事訴訟法の基本事項や判例・学説などを整理したサブノートです。
司法試験の過去問や,問題集(『ゼミナール要件事実2』『事例演習民事訴訟法』『ロースクール民事訴訟法』)とともに,このサブノートを並行してお使いになれば,知識や考え方の整理に役立つと思います。
受験雑誌などに掲載されているサブノートは,超重要事項しかありませんが,このサブノートは短答試験で問われる知識などについても記載していますので,情報の一元化にも役立つと思います。
<参照文献>
伊藤眞『民事訴訟法 第4版補訂版』(有斐閣,2014年)
三木浩一・笠井正俊『民事訴訟法 (LEGAL QUEST)』(有斐閣,2013年)
高橋宏志『重点講義民事訴訟法(上) 第2版補訂版』(有斐閣,2013年),同『重点講義民事訴訟法(下) 第2版補訂版』(有斐閣,2014年)
高橋宏志・高田裕成『民事訴訟法判例百選 第4版』(有斐閣,2010年)
三木浩一・山本和彦『ロースクール民事訴訟法 第4版』(有斐閣,2014年)
遠藤賢治『事例演習民事訴訟法 第3版』(有斐閣,2013年)
長谷部由起子・山本弘『基礎演習 民事訴訟法 第2版』(弘文堂,2013年)
8
上訴
第1
上訴総説
1
意義
上訴:裁判の確定前に、上級裁判所に対し原裁判の取消し・変更を求める不服申立て
※・終局判決に対する不服申立て → 控訴・上告
・決定命令に対する不服申立て → 抗告
※趣旨
①判決の正当性と信頼性を確保し、判決効を基礎づける手続保障の一環
②法令の解釈、適用の統一の実現
※上訴の対象
・終局判決であること(281Ⅰ)
(○)一部判決(243Ⅱ)、控訴審での差戻し判決、移送判決
(×)中間判決(245)
・訴訟費用の裁判
独立した上訴の対象とならない(282、313、331)
Ⓡ 本案の判決からみれば附随的な裁判にすぎないので
2
要件
①上訴が法定の方式に従い、有効なこと
ex. 訴訟能力の具備など
②上訴提起が上訴期間内になされていること
判決に対する控訴、上告
判決の送達があった日から2週間(285、313)以内
決定、命令に対する即時抗告 裁判の告知があった日から1週間(332)以内
※必ず書面による(286Ⅱ、313、331)
③原判決が不服申立てのできる裁判で、その裁判に適した上訴であること(283 参照)
④上訴の障害事...