「現代社会と福祉第1回」
現代社会の福祉制度の概要について述べなさい。
社会システムとしての社会福祉の制度的基盤は、社会福祉法制度である。
基本法、所得保障法、福祉サービス法、介護サービス法、保健サービス法、組織・資格法と、その法の性格によって構成されている。これらの法は、相互の関連なくバラバラに機能しているのではなく、深く関係しながら実際の社会福祉を形成している。これを福祉六法という。
「生活保護」に代表される公的扶助は、欧米諸国では一般に所得保障制度として位置づけられ、社会福祉制度ではなく社会保障制度の枠組みの中で論じられることが多い。
社会福祉を規定する要素に、対象者への福祉サービス提供がある。日本でも生活保護法を除くほとんどの社会福祉法制度は、自立支援や介護・育成などのために福祉サービスを提供するとことが制度の基本となっている。こうしたことから、欧米諸国では、所得保障を目的とする公的扶助は社会福祉とは異なる性格のものとして整理されている。しかし、日本では、生活保護法や児童扶養手当をはじめとする社会手当などの公的扶助は、社会福祉制度に組み込まれ、社会福祉の枠組みで論じられ...