『個別援助技術の構造と機能について述べよ。』
個別援助技術の構造においては、次の要素がある。
①問題・・・利用者・家族が抱える問題である。利用者が持ち込む主訴と背景にある生活問題が異なることはよくあることである。近年家族機能の変容や地域サービスの多様性と複雑性から、問題は何らかの解決と努力を続けた結果であり、否定的にとらえることがふさわしくない場合もある。また、問題の背景には様々な問題が潜在的に存在していることもあり、即時的問題、心理的問題は当然のこと社会的問題について十分な理解をもたなければならない。
②目的・・・ⅰ利用者の具体的ニーズと心理的ニーズの充実、ⅱ利用者の社会的機能を発揮させるため、福祉施設・相談機関の機能を活用することである。今日の福祉サービスが利用者のニーズを充足できるとは限らず、利用者が福祉サービスに合わせざるを得ない状況である。本来はニーズに適応できるよう施設サービスなどを転換すべきであり、利用者の自己決定を支援できる環境を整え、利用者の主体性を尊重できることが必要である。
③利用者・・・福祉サービスを必要としている利用者本人あるいは家族のことである。生活上の問題...