第三章「知識の問題」第一節「認識の意味」の内容を要約せよ。そして、テキストの内容に即して、自分のコメント・批判を加えよ。
私達は感覚に導かれて生活を送っている。しかし、この感覚ほど不確かなものはないことも私達は知っている。例えば、見間違い、思い違い、考え違いといったことをして、ある存在を正しく認識できていないことが日常生活に起きている。こうした一時的・個人的な感覚的認識は真の認識の名に価せず、誰から見ても正しく認識することができる普遍妥当的な認識、知識が必要とされる。
ソクラテスは、この問題の答えとして正義の定義、つまり正義の普遍的・必然的な知識を求めた。一方、プラトンは正義の倫理的・実践的な知識を知識それ自身として、この問題の答えを探求した。
プラトンの認識論は、有名な洞窟の比喩によってよく知ることができる。彼は、この比喩には四つの存在の種類があり、しかもそれらが段階的であり、これら各々の存在は各々異なる認識能力によって把握されているとしている。前二者は洞窟内の認識として影像、模像の認識であり、後二者は地上での認識として事物、太陽の認識と区分した。
このプラトンの四種の認識は、私達の...