食品を保存する場合、腐敗だけでなく酸化による変質も重要な問題である。
とくに油脂の酸化物は、単に食品の味を損なうだけでなく、酸化物の毒性のために食中毒を起こすこともある。
油脂の酸化は、酸素、水、光、全属塩、熱などにより起こる。
最初は酸化は徐々に進み、少したつと急に進行する。油脂の二重結合を酸化し、過酸化物、アルデヒド、ケトン、酸などを生成する。
これを防ぐために利用される化学薬品が、酸化防止剤である。
●酸化防止剤の種類
現在指定されているものは、使用基準のある9種類11品目ある。
このうちエリソルビン酸などのように水溶性のものと、BHAやBHTのように油溶性のものとがある。前者は色素類の、後者は油脂の酸化防止に使われている。
この他、それ自身には酸化防止作用はないが、酸化防止剤と併用された場合、その効果を著しく増強するものがある。この効果をシネルギズム、この効果を有するものをシネルギストと呼び、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸などがある。
●エリソルビン酸ナトリウム
別名 ⇒ イソアスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸Na、イソアスコルビン酸Na
組成式 ⇒ C6H7NaO6・H2O
分子量 ⇒ 216.12
性質 ⇒ 白〜黄白色の結晶性粉末。
粒または細粒で、においがなくわずかに塩味がある。
構造式
融点 ⇒ 200℃以上(分解)
有機化学レポート
酸化防止剤・エリソルビン酸ナトリウム
●酸化防止剤とは何か
食品を保存する場合、腐敗だけでなく酸化による変質も重要な問題である。
とくに油脂の酸化物は、単に食品の味を損なうだけでなく、酸化物の毒性のために食中毒を起こすこともある。
油脂の酸化は、酸素、水、光、全属塩、熱などにより起こる。
最初は酸化は徐々に進み、少したつと急に進行する。油脂の二重結合を酸化し、過酸化物、アルデヒド、ケトン、酸などを生成する。
これを防ぐために利用される化学薬品が、酸化防止剤である。
●酸化防止剤の種類
現在指定されているものは、使用基準のある9種類11品目ある。
このうちエリソルビン酸などの...