里親制度の概要について記し、里親委託の役割、里親制度の種類、里親数等の推移、年齢別委託児童数についてまとめた。また、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)の概要についても記述した。
ことわざで「生みの親より育ての親」というのが昔からある。まさに育てられた親は本当には血のつながりがなくても、その子どもにとってはかけがえのない「親代わり」であると考える。里親、特に養子縁組里親においては、「真の親でないことの告知」というのが問題になるが、それ以外にも様々なケースや課題があるものと推察する。今回このリポートにおいては、里親制度の概要を整理しその役割について考察する。
1 里親制度の概要
里親制度は、何らかの事情により家庭での養育が困難又は受けられなくなった子ども等に、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境の下での養育を提供する制度である。家庭での生活を通じて、子どもが成長する上で極めて重要な特定の大人との愛着関係の中で養育を行うことにより、子どもの健全な育成を図る有意義な制度である。
2 里親委託の役割
里親家庭に委託することにより、以下の役割が期待される。
特定の大人との愛着関係の下で養育されることにより、自己の存在を受け入れられているという安心感の中で、自己肯定感を育むとともに、人との関係において不可欠な、基本的信頼感を獲得することができる。
里親家庭において、適...