第4課題 第6設題
神経心理学の研究法について説明せよ。
神経心理学の研究法には、脳損傷研究、電気刺激法、画像診断法、電気生理学的方法などがある。しかし、これら個々の研究法で神経心理学的問題は解明できない。複雑な神経心理学的問題を解明するには、各研究法で得られた結果の比較、検討をする必要がある。
脳損傷研究の歴史は古く、外側からの観察によって脳損傷者の示す障害と、それに対応する脳の部位を推定するという方法である。脳損傷を人為的に操作することは許されないので、データの収集は似た障害を示す患者を集め、そこから共通する部位を推定するか、損傷部位が同じ患者を集め、そこから共通する障害を特定することになる。倫理的に統制は不可能であるため、損傷部位の明確化が難しく、脳損傷による他の部位に与える影響から、単純に損傷個所が障害を引き起こしているかの断定がしにくいなどの短所がある。
これに対し、電気刺激法は脳に直接電気刺激を与えて、脳の部位と機能との対応関係を明らかにしようとするものである。例えば、ペンフィールドが行った実験では、覚醒状態にある被験者の大脳皮質表面に電気刺激を直接与え、言語報告...