HAPPYCAMPUS予想時事問題
※本レポートの目的は、学習情報共有として提供しております。最近の国際及び日本の重大になっているニュース記事を中心にまとめておきました。是非、ご活用ください。
【社会】 八ツ場ダム、有識者会議を再開 4年ぶり「計画急ぐ」
朝日新聞 2012年9月25日
八ツ場ダム(群馬県長野原町)の本体工事着工に向け、国土交通省は25日、利根川水系の河川整備計画の策定に必要な有識者会議を4年4カ月ぶりに再開した。建設に批判的な識者2人が新たに加わったが、推進派が多数を占めており、同省は「早急に整備計画を策定する方針に変わりはない」としている。
会議では、利根川の洪水対策で、基準点(群馬県伊勢崎市)の目標流量を毎秒1万7千トンとしたのが妥当かどうかが議論された。
2009年の衆院選で民主党が建設中止を政権公約に掲げた八ツ場ダムは、昨年12月に建設継続が決まった。その際、利根川の河川整備計画を策定することなどが着工の条件となった。本来、ダムの必要性は河川の整備計画をまとめる過程で判断されるものだが、利根川水系の整備計画をまとめる作業は08年に中断していた。
整備計画をとりまとめる有識者会議のメンバーに反対派の有識者を加えるよう、民主党の国会議員から要望が出ていた。
反対派の市民団体は、新たに2人が加わったことを、「国交省が事業を正当化する場ではなく、科学的な検証を元にした計画策定の契機になる」と評価する。
ただ、委員計21人のうち反対派は少数。24日に開かれた1都5県の担当者会議でも、早期の計画策定を求める意見が相次ぎ、批判的な意見がどこまで反映されるかは不透明だ。
【政治】 沖縄知事「県民は限界」 オスプレイ配備中止求める
朝日新聞 2012年9月24日
沖縄県の仲井真弘多知事は24日、防衛省で森本敏防衛相に会い、米軍の新型輸送機オスプレイの普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備中止を求めた。仲井真氏は「安全が確保されない航空機の配備計画に県民の許容は限界に達した」とする抗議文を提出した。
日本政府は19日、米政府とオスプレイの飛行ルールで合意し、国内での飛行を認めた。だが、仲井真氏は合意の文言が「『可能な限り』など、条件つきだ」と指摘。米軍の裁量が大きいことを批判した。
これまでの普天間飛行場の飛行規制の合意にも同様の文言があり、仲井真氏は「基地の横に住む住民から言えば守られていない」と強調。「普天間(移設)が進まない中で、機体の持ちこみは理解できない」として、普天間の固定化につながりかねないと批判した。
森本氏は、飛行ルールの内容について「閣僚として力量がなかった。もう少しよいものができたのでは」と述べたうえで、「今の東アジア情勢で米軍の抑止機能をどう維持していくかが大きな課題だ」とオスプレイ配備の意義を説明。普天間移設を含め「沖縄と協議をさせていただきたい」と理解を求めた。
【国際】 米国務長官、イスラム各国と会談 反米デモ沈静化へ奔走
日本経済新聞 2012年9月25日
クリントン米国務長官は24日、ニューヨークで、リビアやパキスタン、エジプトの首脳らと相次いで会談した。民主化の促進や対テロなどでの連携推進で一致。イスラム教預言者ムハンマドの侮辱映像をきっかけとした反米デモが拡大しているイスラム圏各国との信頼構築をアピールし、デモ沈静化を呼びかける狙いがある。
クリントン長官はリビアのマガリエフ議長との会談で、反米デモへの対応に関連し、駐リビア米大使ら殺害の容疑者逮捕などの対応に謝意を表明。そのうえでカダフィ前政権の残党や過激武装勢力などの影響で悪化する治安の確保に向け、米政府として引き続き協力する意向を伝えた。
マガリエフ議長は「(リビア大使殺害)事件はリビア国民の米国民に対する感情を表したものではない」と強調した。新政権としても国内の治安維持が最大の優先事項だとも力説した。
パキスタンのザルダリ大統領との会談でも、クリントン長官は同国で発生した反米デモに関連して「暴力に訴える抗議行動は容認できるものではない」との認識で一致した。パキスタンの鉄道相が侮辱映像の制作者の殺害に懸賞金を支払うと表明したことに関し、大統領が「暴力行為を誘発する発言は容認できない」と非難した。
一方、エジプトのモルシ大統領はクリントン長官に「在外大使館の安全確保は政府の義務である」と約束。反米デモによる暴力行為の取り締まりを強化する方針を示した。
一連の会談に先立ち、クリントン長官は夫のビル・クリントン元大統領が主催する会合で「我々は中東・北アフリカで進む民主化を支援するために力を合わせなければいけない。世界中の過激派が我々を引き裂こうとしているからだ」と強調。侮辱映像への抗議活動を念頭に「復讐(ふくしゅう)に尊厳はない。暴力活動は決して正当化されない」と訴えた。
◆ 用語解説
▪ 八ツ場ダムとは?
利根川の主要な支流である吾妻川中流部、群馬県吾妻郡長野原町川原湯地先に建設が進められている多目的ダムである。2015年(平成27年)度の完成予定で、完成すれば神奈川県を除く関東1都5県の水がめとしては9番目のダムとなる。形式は重力式コンクリートダムで高さは131.0m 。国土交通省関東地方整備局が事業主体である。
▪ 国土交通省とは?
国土交通省(Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism(略:MLIT))は、日本の行政機関の一つ。国土の総合的かつ体系的な利用、開発及び保全、そのための社会資本の整合的な整備、交通政策の推進、気象業務の健全な発達並びに海上の安全及び治安の確保を図ることを任務とする。
▪ 防衛省とは?
防衛省(Ministry of Defense)は、日本の中央省庁のひとつ。日本の平和と独立を守り、国の安全を保つことを目的とし、このために、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊を管理・運営し、並びにこれに関する事務を行うことを任務とする。また、このほか、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定(日米相互防衛援助協定)の規定に基づくアメリカ合衆国政府の責務の日本国内における遂行に伴う事務で他の行政機関の所掌に属しないものを適切に行うことも任務としている。1950年、前身である警察予備隊本部が発足。その後保安庁、防衛庁を経て、2007年(平成19年)1月9日に省に昇格した。
▪ オスプレイとは?
V-22はアメリカ合衆国のベル・ヘリコプター社とボーイング・バートル(現ボーイング・ロータークラフト・システムズ)社が共同で開発した軍用機であり、回転翼の角度が変更できるティルトローター方式の垂直離着陸機である。本機の愛称であるオスプレイ(Osprey、オスプリー、オスプレィ)は猛禽類のタカの一種である「ミサゴ」のことである。従来の輸送機に比べ、高速かつ航続距離にアドバンテージがある。
▪ 2012年アメリカ在外公館襲撃事件とは?
アメリカ合衆国で作成された映画"Innocence of Muslims"(イノセンス・オブ・ムスリム)がイスラム教を侮辱するものとして、これに抗議するためエジプトやリビアなどアラブ諸国のアメリカの在外公館が2012年9月11日以降、次々に襲撃された事件である。一連の襲撃事件で、在リビアのアメリカ領事館ではクリストファー・スティーブンス駐リビア大使ら4人が殺害された。公務中のアメリカ大使が殺害されるのは、1979年に駐アフガニスタン大使だったアドルフ・ダブス(英語版)が殺害されて以来のことであった。
エジプト、リビアを発端とした反米デモは他のイスラム諸国にも波及することとなった。またスーダンでは、批判の対象はアメリカだけではなく、イギリスやドイツなどといったヨーロッパ諸国にも向けられた。各国の治安部隊が在外公館への侵入を許したことは、2010年末からのアラブの春により強権体制が崩壊した影響で、治安維持能力が低下したことを浮き彫りにした。