2012年提出、合格。レポートを作成する際の参考となれば幸いです。
『学力低下とは何かを明らかにし、社会階層のような社会的不平等と学力がどのようなかかわりをもつのかについて述べなさい。』
今日、学力低下に関する議論が盛んであり、文部科学省はこの反響の大きさを考慮して、再び学力向上へ向けて舵を切ったといわれている。もちろん、学力低下事態は昔からさまざまな形で繰り返し議論されてきたことであり、目新しいものではない。しかし、国際比較や時系列的なデータが示されたのと同時に、教育現場で教育に携わる関係者の実感として挙げられたことが、議論を呼ぶきっかけとなったと考えられている。ここからは、学力低下の実態を明らかにし、現代社会における社会的不平等と学力との関係について述べていく。
学力低下の中で、特に大学生の学力低下に関する議論は別段古いものではない。だが、現代なされている議論は昔のそれとは明らかに異なるものである。少なくとも、これまでの大学生の学力低下は、ある意味で大衆化がもたらした必然的な結果であった側面もある。要するに、これまで大学に入れなかった層が大学生になることによって引き起こされていたともいえる。このように大学の教育がうまく機能していなくても、高校...