イギリス文学史Ⅰ 日本大学 文学専攻(英文学)教育科目
「ドライデンとポープに見られる新古典主義の特徴」
新古典主義とは、ギリシャ・ローマへの回帰が基調であり、再び古典文学が脚光を浴びる傾向にあることである。ここでは、ドライデンとポープそれぞれの代表作などをあげてその特徴を述べる。
まず、ジョン・ドライデン(John rydn,1631-1700)の代表作、『アブサロムとアキトフェル』(Absalom and Achitophel,1681)は、旧約聖書「サミュエル記・下」に基づいた風刺作品であり、内容はチャールズ二世を作品の中ではダビデ王に、シャフツベリーをダビデ王を廃位しようとするアキトフェルに、そしてマンモス公をダビデ王の息子で野心的なアブサロム王子とするなど、実在の人物とその登場人物とを重ねて風刺するというものであった。さらに、カトリックに転向した後の作品、『牝鹿と豹』(The Hide and the Panther,1687)では、牝鹿をカトリック、豹を英国国教会に見立てて、双方の和合を試みるなど、こちらも当時の宗教情勢を物語る作品であった。
次に、アレグザンダー・ポ...