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産業・組織心理学Ⅰ 旧第2課題第2設題 A評価

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    資料紹介

    課題内容:ストレッサーがあってもストレス反応が起こりにくくなるためには、どのようなことができるだろうか。個人でできること、職場でできること、組織全体でできることに分けて、具体例を挙げて述べなさい。

    レポート作成の参考になれば。丸写しはしないでください。

    資料の原本内容

    令和5年の労働安全衛生調査の結果によると、「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある人たち」の中で、その原因を「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」としたのは全体の29.6%であり、すべての原因の中で2番目に多かった。例えば休憩室で昼食中に世間話をすること、車で移動中に上司と会話すること、休日に旅行したらお土産を買って職場で配ること、飲み会に出席することは、円滑な対人関係を保つために多くの労働者が行うだろう。対人関係の失敗は適応障害や精神疾患につながることがある。本稿は、対人関係によるストレッサーがあってもストレス反応が起こりにくくなる方法について、個人レベル、職場レベル、組織レベルに分けて述べる。
    ストレス反応はストレッサーが本人にとって脅威的であり対処できないと判断された場合に生じる。ストレス反応を起こりにくくするにはストレッサーへの対処法を備えておくことが有効である。ストレス事態に対して何らかの対処を行うことをコーピングとよび、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングの2つに大きく分類される。問題焦点型コーピングは、環境を変えるために行動を起こすことで問題を解決しようとすることである。例えばある新人労働者にとってのストレッサーが新人教育をしない直属の上司である場合、そのさらに上の上司に相談して働きかけてもらうのは問題焦点型コーピングにあたる。職場に行かない、仕事をしないのは情動焦点型コーピングにあたる。
    2024年の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」は4つのケアを継続的かつ計画的に行うことを推奨している。4つのケアは「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」で構成される。セルフケアは労働者が自ら行うストレスへの気づきと対処であり、個人レベルの対処とも言い換えられる。ラインによるケアとは社長から始まり部長、課長、社員へと続く指揮命令系統上にいる上司が部下のメンタルヘルスケアを行うことである。ライン(line)は指揮系統を意味する。事業場内産業保健スタッフ等によるケアは、産業医、衛生管理者、産業カウンセラー等による専門的ケアであり、管理監督者と協力して職場環境の改善を図る。また外的資源の提供や、労働者の健康状況の把握、健康指導などを行う。事業場外資源によるケアは、病院や産業保健推進センター等によるケアである。これらは職場レベルの対処と捉えることもできる。
    例えば公共機関で働く公務員が国民からのカスタマーハラスメント(カスハラ)に遭遇した場合、職員が個人的にできることの一つがストレスコーピングである。アサーションについて知ることはその1つである。国民からの無理な要求や罵倒に遭遇した職員は、非主張的自己表現になりやすい。職員が相談者の自己表現タイプを予測することにより、周囲のサポートを受けやすくなる効果がある。職場としては上司が部下と密にコミュニケーションをとること、職員のメンタルヘルス状態を把握してアドバイスやサポートを行うことが重要である。例えばカスハラをする顧客からターゲットにされている職員を離して、職場全体として対応することが考えられる。組織としては、労働者のメンタルヘルスケアに関する研修を実施すること、相談窓口を設置して労働者が気軽に相談できる環境を整え、職場環境の改善に積極的に取り組むことが必要である。
    ストレス反応を起こりにくくするには、個人、職場、組織それぞれが連携してストレッサーに対処することが重要である。ストレス反応が起こりにくい職場は労働者にとって働きやすく、事業所にとっても効率的であり利益をもたらす。
    <参考文献>
    厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」<https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r05-46-50b.html>2025.2.17
    結城康博,嘉山隆司,内藤晃「これで福祉と就労支援がわかる」書籍工房早山,2016.8.25
    渡辺登「職場不適応症」講談社,2009.4.10
    山口裕幸,髙橋潔,芳賀繁,竹村和久「産業・組織心理学」有斐閣アルマ,2006.4.15
    無藤隆,森敏昭,遠藤由美,玉瀬耕治「新版心理学」有斐閣,2021.2.10
    平木典子「改訂版アサーション・トレーニング」日精研,2015.9.1

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