倫理学のレポートで、三大幸福論の一つでアラン著作の『幸福論』について論じています。幸福論、倫理学、哲学などに関連する内容になっています。本文の字数は3367字ほどです。
アラン『幸福論』における幸福について
はじめに
「幸福とは何か」という問いに対してどのようなことを思い浮かべるだろうか。アリストれ苦痛がない状態を幸福だとしている。もっと身近に考えると、富や名声があることや自分自身を表現できることや愛し愛されることなど様々なことが幸福に当たるとされている。20世紀に活躍した哲学者でモラリストのアラン(本名エミール=オーギュスト・シャルティエ)は、彼の著書『幸福論』の中で、幸福になるための方法として、次の三つのことを強く主張した。
①健全な身体の運動を行うこと
②心構えによりポジティブ思考でいること
③礼儀正しく生きること
このレポートでは『幸福論』からアランの考えた幸福について読み取っていきたい。(引用はすべて『幸福論』から)
1.健全な身体の運動を行うこと
舞台に立つのを死ぬほど怖がっていたピアニストが、演奏しはじめるやいなやたちまち直ってしまうのをどう説明したらよいのか。[略]指の柔らかい運びによって恐怖を揺り動かし、追い払ってしまうのだと理解したい。[略]るのは思考のはたらきによってではない。むしろからだの運動がわれわれを解放するのだ。(...