【2021年度】合格をいただいた慶應経済通信教育課程の会計学(2021年度)の合格レポートです。テーマは近代会計の成立です。初回合格となっています。
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序論
近代会計は、イギリスを発祥とする産業革命によって固定資本財が拡大した、18世紀から19世紀にかけて、誕生したとされる。この時代は、生産性拡大を狙いに、企業や官庁が鉄道などの巨大インフラを相次いで導入した。多額なインフラ導入の結果、資産を使用できる期間で分割しながら計上する減価償却の一般化がもたらされるとともに、前世紀の期間利益計算の考えを引き継ぐ形で発生主義が成立したのである(2018年、友岡)。近代会計の成立時に規定された、発生主義の考え方は、現代の企業会計の原則として根付いている。
本レポートでは、産業革命前の近世から中世にさかのぼり、近代会計が、株式会社という企業形態の形成プロセスとの関係で、どのように成立していったか歴史的に論じる。第一章は近代会計の定義と特徴、第二章が近代会計成立に至るまでの流れの整理、第三章が複式簿記の起源と発展、第四章が株式会社の誕生と期間利益計算の成立、第五章が産業革命に伴う発生主義と近代会計の成立について、段階的に述べ、最終的に近代会計の成立プロセスを俯瞰することで、現代会計とのつながりについても考えたい。
第一章 近代会計の定義と特徴
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