今日のグローバルなICT 時代において、人々が観光に求める動機、欲求、目的は以前にも増して多種多様となっている。「何に魅力を感じ観光対象を選択し観光地を選ぶのか」についてみていくと、まず外生的決定要因としてあげられるのは、経済的・社会的・政治的諸事情である。昨今のコロナ禍における経済情勢では世界的に観光旅行は激減し、ロシア・ウクライナ戦争における戦時化では、その地域の人々はそもそも観光旅行へ行こうとは思わないためである。
次に内生的決定要因としては、第1に観光動機や観光目的である。第2に観光資源や観光施設。第3に観光者が観光行動を開始し、現地(目的地)で観光行為を実行するまでに至る媒介・代行・支援活動などの観光関連事業者の存在とその役割、活動があげられる。
この観光関連事業者を大別すると、公的観光関連事業者(国家、地方自治体、公益法人等)と私的観光関連事業者(詳細は後述)が存在する。公的事業者は、行政間の調整、政策の立案、旅行関連公共施設の整備や旅行の安全確保のための社会環境整備の役割がある。
政策面では、2007年に観光立国の実現を目的として「観光立国推進基本法」を施行し翌年2008...