中央大学
評価C
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1.日本国法における司法権の意義
日本国憲法は、大日本帝国憲法に比べ、司法の範囲が拡大させ、司法権の独立を強化し、憲法81条の規定により裁判所に違憲審査権を与えた点で、顕著な特色を有すると言われる。
具体的には、憲法76条1項の規定により、権力分立の下で、最高裁判所を頂点とする裁判所が司法権の主体であることを明らかにし、司法権の一元化を図り、民事事件や刑事事件の他に行政事件も裁判所の管轄とし、特別裁判所は禁止された(76条2項後段)。なお、行政事件については、行政機関の終審としての裁判を禁止しているのであり、前審として判断を下すことまでを否定はしていない。
司法とは、具体的な争訟について、法を適用し、宣言することによって、これを裁定する国家の作用」だと定義される実質的意味の司法権といわれている通例であるが、その本質的役割として最も重要とされるのは、国民の基本的人権を保障することである。
2.法律上の争訟
裁判所法3条1項の規定により、裁判所は、法律上の争訟を裁判することが明記されており、この法律上の争訟にあたるには①当事者間の具体的な法律関係ないし権利義務の存否に関係する紛争であって(...