◎全体公開《佛教大学 小学校教諭》S0616 国語科教育法レポート【2016年・A評価】

閲覧数4,739
ダウンロード数27
履歴確認

    • ページ数 : 9ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    シラバスが変更された為、公開しております。
    レポート作成の参考や、レポートの質を確認するのにご利用ください。

    2016年度シラバス
    【設題文】
    テキストの内容を踏まえ,国語科授業の計画と評価について論述しなさい。それに基づき,教科書教材『ごんぎつね(新美南吉)』の学習指導案を作成しなさい。
    【参考教科書】
    全国大学国語教育学会(2009)『新たな時代を拓く 小学校国語科教育研究』学芸図書株式会社.


    論理が整頓された読みやすいレポートの作成を心がけております。
    他教科のレポートもほとんどがA評価の為、安心して参考にしていただけるかと思います。
    ユーザーページから他に販売している資料の一覧が公開されておりますので、
    是非ご覧になっていってください。

    資料の原本内容

    テキストの内容を踏まえ,国語科授業の計画と評価について論述しなさい。
    それに基づき,教科書教材『ごんぎつね(新美南吉)』の学習指導案を作成しなさい。
    第1章 言語活動の構想
    2008年1月に中央教育審議会「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答申)」が出され,OECD生徒の学習到達度調査や全国学力状況調査で判明した学力の低下や,思考力・判断力・表現力・読解力の低下が大きな課題となった。国語科の改善方針も,日常生活に必要な基礎的な国語の能力を身につけるようにする内容となった。特に言語活動を具体化し充実することは,学習者の国語に関する知識とそれらを使いこなす技能を習熟する上で重要な役割をもつ。また,2008年3月に新小学校学習指導要領が告示され,総則における「第1 教育課程編成の一般方針」,「第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」で思考力・判断力・表現力の育成や言語活動を充実することが示されているように,国語科だけに留まらず様々な環境・場面において学習者が主体的に国語力を発揮できる授業作りが教師に求められている。
    国語科の内容は「話すこと・聞くこと」・「書くこと」・「読むこと」の3領域に分けられており,答申ではそれぞれの領域の指導事項と言語活動例が示されている。しかし,授業を計画する上では学習者の内的言語活動を刺激できるかどうかにも注意したい。単なる課題の提示と,課題の達成度による評価を繰り返す授業では,学習者は外言操作の能力を国語力と思い込みかねないのだ。それは「生きる力」における「豊かな人間性」の育成を損なうものである。ゆえに,学習者が自ら意欲・関心をもって取り組める題材や指導方法の研究,学習者の創意工夫の評価など,学習者が言語活動の楽しさや充実感を味わうことができる授業計画が必要である。
    第2章 年間指導の計画及び単元の計画
    年間指導計画は,単元名・目標・学習内容などを一方の軸とし,学期・月・指導時数など時間的な単位をもう一方の軸としたクロス表の形で表されることが多い。1年間で児童に必要な言語能力が過不足なく身につくよう,国語科における3領域と1事項「話すこと・聞くこと」・「書くこと」・「読むこと」・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」をバランスよく配列せねばならない。各領域の言語活動が反復的・螺旋状的な学習となっているよう構成を行う。その上で,指導者は指導のねらいに即した優れた教材を選んでいくこととなる。今日における国語教室では国語教科書の使用が常態となっているが,指導のねらいを効果的に達成させるために教材を差し替えたり,比べ読みをさせたりするといった対応も考慮しておかなければならない。指導者は各教材に対する研究を行い,深い理解を持って年間指導の計画にのぞむことが必須である。
    単元には教材を中心に多様な言語活動が組み込まれており,単元指導計画ではそれらを学習過程として時系列的に組み替えることが重要な作業である。各単元の位置づけは年間指導計画において決まっているので,ねらいに即した言語能力が身につく言語活動を組み込んだ学習内容と学習方法を単元指導計画に具体的に表す。なお,国語学力の向上には反復的学習が必要であることは先にも述べたが,反復的練習的活動では児童の学習意欲が持続しないことには留意しておくべきである。児童を飽きさせないよう,多様な学習活動を計画しておく必要がある。
    第3章 1単位時間の計画
    1単位時間の計画は,学習指導案において「本時の指導」として記述されるものである。学習指導案は記述していくことで授業者自身の授業構想を明確にし,また研究授業等の参観者が授業のねらいを理解できるようにするという目的がある。
    「本時の指導」は単元指導計画における1単位時間の授業の目標と指導過程を実際の学習活動に即して記述する項目である。まず,本時の目標を単元目標とのずれが生じないよう設定する。評価規準・評価方法にも言えることであるが,目標を達成している児童がどのような状態であるかを具体的に記述することが必要である。指導過程は主に「時間」,児童による「学習活動」,教師による「主な発問と指示」,評価規準と規準に至らない児童への支援や規準をクリアした児童への発展的支援を「指導上の留意点と評価」という項目で記述することが多い。また,本時の目標を達成するための学習課題を「めあて」として児童言葉で記述する,本時の学習の流れは導入・展開・まとめという3つのまとまりで構成する,学習活動に児童に期待される活動内容を示す,というような記述でより詳細に記述することも多い。なお,これらの内容が1時間をただ詳細に記述するものでなく,適切な教材観・児童観・指導観に基いた計画となっているよう,普段から教材研究や児童の様子を把握しておくべきである。
    第4章 国語科授業の評価
    現在の「児童・生徒指導要録」における国語科の評価の観点は,学力を情意と認知に大別した上で,情意の「国語への意欲・関心・態度」と認知の「話す・聞く能力(A領域)」「書く能力(B領域)」「話す能力(C領域)」「言語についての知識・理解・技能(言語事項)」に分類される。その評価方法は他者との競争意識を煽ることなく,協力して学習する条件を揃えている到達度評価法を用いている。その際,内的言語活動も児童の学習の充実には重要になる。また,教師は単に児童に対して評価を下して完結してはならない。児童への評価は,すなわち自身の教育活動の評価であり,より良い学習の実践に向けた改善資料となるからである。
    第5章 『ごんぎつね(新美南吉)』(4年生)の学習指導案
    ①単元名
    読んで考えたことを話し合おう
    ②単元の指導目標
    ・物語を読みながら,登場人物の気持ちを想像し理解しようとする。(国語への意欲・関心・態度)
    ・場面の移り変わりに注意しながら,ごんや兵十の性格や気持ちの変化,情景などについて叙述を基に想像しながら読むことができるようにする。(読むこと ウ)
    ・文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのあることに気付くようにする。(読むこと オ)
    ③単元の評価基準
    ・国語への関心・意欲・態度
    進んで自分の考えを発表したり,他の児童の考えを真剣に受け止めている。
    ・話すこと・聞くこと
    話し合いにおいて,自分の考えを他の児童に伝わるよう順序立てて発表している。
    ・書くこと
    話し合いで発表する内容を,他の児童に正しく伝わるように表現しようとしている。
    ・読むこと
    会話や情景を表す文に着目し,登場人物の気持ちを想像している。
    話し合いでの交流を受けての自分の考えをまとめている。
    ④単元の指導計画(総時数10時間) 本時2/11時間
    次 時 主な学習活動 指導上の留意点(・)と評価(◇) 1 1 ◯全文を読み,初発の感想を書いて発表しあう。 ・物語の重要なポイントに気がつくよう支援する。
    ◇自分の考えを他の児童にもわかるよう記述している。 2 ◯あらすじを掴み,新出漢字や語句の意味を調べる。 ・わからない語句や漢字は辞書で調べさせたり,短冊を作って掲示しておく。
    ◇登場人物や場面の移り変わりを理解している。 2 3 ◯1の場面,ごんがいたずらをする気持ちを考える ・ごんと兵十の行動及び心情を表す文に線を引き,原因や動機を考えさせる。
    ・叙述にどのような心情が含まれているか話し合いをする場面を作る。
    ◇登場人物の気持ちや心情について読み取っている。
    ◇感想や考えの根拠を理由づけて説明できる。
    ◇話し合いを行いながら,互いの考えを認めあっている。 4 ◯2の場面,ごんがいたずらを後悔する気持ちを考える。 5 ◯3の場面,ごんがいたずらを償う気持ちを考える。 6
    7 ◯4,5の場面,兵十とごんのすれ違いについて考える。 8 ◯6の場面,ごんを撃った後でごんの行動を知った兵十の気持ちを考える。 9 ◯1~6の場面ごとに班を分け,心情や叙述に着目した音読を行う。 ・どのように読めば心情が伝わるかの話し合いを促す。
    ◇登場人物の気持ちを考えて音読をしている。 3 10 ◯初発の感想とこれまでの授業を振り返り,改めて感想をまとめ発表し合う。 ・自分の考えの変化に注目させる。
    ◇互いの考えの違いを感想の聴き比べから気づいている。
    ⑤本時の指導(2/11)
    ・目標
    あらすじを掴み,新出漢字や語句の意味を調べる。
    主な学習活動 発問(◯)と指示(△) 留意点(・)と評価(◇) 導入 1前時の学習を振り返る。
    2本時のめあてを確認する。 △自分の書いた感想に目を通させる。 展開
    3物語全体の一人読みを行い,登場人物,分からない漢字や言葉をチェックする。
    4 グループに分かれ,意味を考え合ったり,辞書を使って言葉を調べる。
    5 クラス全体で場面の移り変わりや言葉の意味を確認しあう。
    △物語を理解するための下準備をさせる。
    △話し合って意味を推察させたり,辞書を使って調べるよう指示する。
    ◯どのような意見が出ているかを黒板を使ってまとめながら聞く。
    ◇積極的に物語を理解しようと努めている。
    ◇自分の考えをまとめて話し合っている。
    ◇辞書を使って進んで語句を調べている。 まとめ 6 本時を振り返り,次時の課題を知る。 △1の場面について各自,音読しておくよう伝える。 ・ごんの気持ちに着目するよう気付かせる。
    参考文献
    全国大学国語教育学会(2009)『新たな時代を拓く 小学校国語科教育研究』学芸図書株式会社.
    京都府教育委員会(2012)「学習指導案ハンドブック」<http://www.ky...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。