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第2設題.
中学三年生の伝統的言語文化の教材として取り上げられている「平泉」(『奥の細道』,松尾芭蕉)の構造と特質について指摘しつつ教材分析を行った上で、学習指導の方向性について言及し、レポートすること。
はじめに
国語教育において古典文学は作品が生まれた経緯や歴史的背景、そして現在へどのように伝わったかを教える素晴らしい教材である。そして効果的な学習指導の為にはやはり教師がどこまで深く教材を掘り下げて理解できているかが重要となる。ここでは中学三年生の伝統的言語文化の教材として取り上げられている「平泉」(『奥の細道』,松尾芭蕉)の構造と特質について指摘しつつ教材分析を行った上で、学習指導の方向性について述べる。
奥の細道(平泉)について
『奥の細道』は俳人松尾芭蕉が元禄二年三月二七日に門人曾良を伴って江戸を出発し、奥羽(現東北地方)・北陸の歌枕や名所旧跡を訪ねて、八月下旬に大垣(現岐阜県大垣市)に至る旅の紀行である。
旅に同行した曾良の日記と比較すると、『奥の細道』は虚構や記事の前後の異同があり、必ずしも事実に忠実な旅行紀とはいえない。芭蕉の理想とする「風雅」の世界が展開さ...